代理店と販売店の違いとは?販売代理店・特約店の意味と契約の選び方をやさしく解説

代理店と販売店の違いとは? 販売代理店・特約店の意味と契約の選び方 始め方・ビジネス

代理店(Agent)とは、メーカーなどの「本人」に代わって商品を紹介し、取引をまとめて手数料を受け取る立場で、自らは売買契約の当事者になりません。これに対して販売店(Distributor)は、本人から商品を買い取り、自分の名前と責任で第三者に売る立場です。

「海外に代理店を置きたい」「現地の販売代理店と契約することになった」——海外販路の話では、こうした言葉が当たり前のように使われます。ところが、相手が実際には「代理店」なのか「販売店」なのかで、在庫を誰が抱えるのか、売れた代金を誰が回収するのか、販売価格を誰が決めるのかがまるで変わります。しかも日本語の「販売代理店」「特約店」「総代理店」という呼び名は、そのどちらにも使われています。

この記事では、ジェトロ(日本貿易振興機構)の貿易・投資相談Q&A、商法・会社法、公正取引委員会のガイドライン、EU・UAE・エジプトの法令や公的資料をもとに、代理店と販売店の違いを表で整理します。呼び名に惑わされない見分け方、契約で決めておくべき項目、独占禁止法や海外の代理店保護法制との関係、そしてどちらを選ぶかの考え方までをまとめました。

代理店と販売店の違い|まずは一言で

ジェトロは、海外の会社が日本に輸出するときも、日本の会社が海外に輸出するときも、多くの場合は代理店契約か販売店契約を結んで販売活動を行うと説明しています。どちらも「その市場で商品を広め、売上を伸ばす」という機能は似ていますが、法的な立場は大きく異なります。

代理店(Agent)

代理店は、本人(Principal)である商社やメーカーの代理として商品を紹介し、販売拡大活動を行います。ジェトロの説明の要点は次のとおりです。

  • 代理店は客先との売買契約の当事者にならず、活動はあくまで本人のための仲立ち
  • 活動から生じる損益や危険は、売主である本人に帰属する
  • 客先が支払い不能になったときの代金回収の危険も、本人の負担
  • 代理店は実績に応じて本人から手数料(Agent Commission)を受け取る
  • 商品は本人から客先へ直送され、代金は客先から本人へ直接支払われる

欧米には、Sales Representative(販売代行人)やManufacturer’s Representative(製造者代理人)と呼ばれる、代理で営業活動を行う企業もあるとされています。

販売店(Distributor)

販売店は、客先との売買契約の当事者となり、自らの責任で商品を販売します。

  • 本人との販売店契約にもとづき、本人と個別の売買契約を結んで商品を購入する
  • 購入した商品を、自分が契約当事者となって第三者に販売する
  • 第三者への販売価格は、販売店が自由に設定できる
  • 本人との取引は「売り切り・買い切り」で、生じた損益はすべて販売店に帰属する
  • 販売した商品の代金回収の責任も、すべて販売店が負う

一言でまとめると、代理店は「本人の取引をつなぐ人」、販売店は「本人から買って自分で売る人」です。

比較表|所有権・在庫・代金回収・価格・収益

両者の違いを項目ごとに並べると次のようになります(ジェトロの説明をもとに編集部が整理)。

比較項目代理店(Agent)販売店(Distributor)
客先との売買契約の当事者本人(メーカー等)。代理店は当事者にならない販売店自身
商品の所有権本人から客先へ直接移る(代理店は商品を買い取らない)販売店がいったん本人から買い取り、客先に売る
在庫・売れ残りのリスク本人販売店
客先の代金回収リスク本人販売店
客先への販売価格を決めるのは売買の当事者である本人販売店(自由に設定できる)
収益の形本人から受け取る手数料(コミッション)仕入値と販売価格の差額(売買差益)
商品と代金の流れ商品は本人→客先へ直送、代金は客先→本人商品・代金とも、本人⇔販売店、販売店⇔客先の2段階
独占的な地位を得た場合の呼び名Sole Agent/Exclusive Agent(総代理店・独占代理店)Sole Distributor/Exclusive Distributor(総販売店・独占販売店)

表で見ると、違いの根っこは1つです。客先と売買契約を結ぶのが誰か。ここが決まれば、在庫・代金回収・価格・収益の形は芋づる式に決まります。

収益の形の違いは、商社の手数料の考え方とも共通しています。仲介にとどまれば手数料(口銭)、自ら買い取って売れば売買差益、という2つの型は口銭(こうせん)とは?商社の手数料の仕組みと決まり方で、会計基準上の扱いも含めて解説しています。

「販売代理店」「特約店」「総代理店」は呼び名だけでは区別できない

「販売代理店とは何か」と聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。それもそのはずで、ジェトロは日本でいう「販売代理店」「系列店」「特約店」といった名称だけでは、AgentなのかDistributorなのかはっきり区別できないと注意を促しています。

さらにジェトロは、「輸入総代理店」という名称が、ある輸入品について独占販売契約を結んでいる会社(つまり実態は販売店)の名称として使われている例がしばしば見られる、とも指摘しています。名前に「代理店」と付いていても、中身は買い取って売る販売店、ということは珍しくないのです。

なお、公正取引委員会のガイドライン(後述)も第3部で「総代理店」を扱っていますが、ここでの総代理店は「国内市場全域を対象とする総代理店」を指す、とガイドライン自身が説明しています。同じ「総代理店」という言葉でも、文書によって指す範囲が違う点には注意が必要です。

呼び名ではなく、実際の動きで見分ける

相手がどちらの立場なのかは、次の問いに答えていくと見えてきます。

確認する問い代理店(Agent)なら販売店(Distributor)なら
客先と売買契約を結び、請求書を出すのは誰か本人(メーカー)相手(販売店)
客先の代金はどこに振り込まれるか本人の口座販売店の口座
本人は相手に何を請求・支払いするか本人が相手に手数料を支払う本人が相手に商品代金を請求する
売れ残ったら誰の在庫か本人販売店
客先が支払わなかったら誰の損か本人販売店
客先への値段を決めるのは誰か本人販売店

ジェトロは、両者を混同したまま、販売店契約(Distributor Agreement)のつもりで代理店契約(Agency Agreement)を結んでしまうと、本来は販売店が負うはずの売掛債権の回収を本人が負うことになる、といった問題が起こりうると説明しています。そのうえで、契約を結ぶときは当事者それぞれの役割(権利と義務)が明確になるよう確認し、契約書に明記しておくことが重要だとしています。

日本の法律では「代理商」と「問屋」

日本の法律にも、代理店に近い概念があります。商法第27条は「代理商」を、商人のためにその平常の営業の部類に属する取引の代理または媒介をする者で、その商人の使用人でないものと定めています。相手が会社の場合は、会社法第16条に同じ趣旨の定義があります。

代理商については、次のようなルールが条文に置かれています。

  • 取引の代理または媒介をしたときは、遅滞なく本人に通知する(商法第27条、会社法第16条)
  • 本人の許可なく、自己や第三者のために本人の営業の部類に属する取引をしてはならない(商法第28条、会社法第17条)
  • 契約期間を定めなかったときは、2か月前までに予告して契約を解除できる。やむを得ない事由があるときは、いつでも解除できる(商法第30条、会社法第19条)

もう1つ、商法第551条の「問屋(といや)」という概念もあります。問屋とは、自己の名をもって他人のために物品の販売または買入れをすることを業とする者です。代理店(本人の名前で取引をまとめる)とも、販売店(自分の名前で、自分のために売る)とも違う、「自分の名前で、他人の計算で売る」形で、委託販売がこれに近い仕組みです。

一方、販売店と本人の関係は、ジェトロの言う「売り切り・買い切り」、つまり商品の売買の繰り返しです。ただし、ある契約が法律上どの類型に当たるかは呼び名ではなく契約の中身で判断されます。個別の契約の評価は、弁護士など専門家に確認してください。

契約で決めること|独占権・テリトリー・最低購入量・期間と解除

代理店契約でも販売店契約でも、取り決めておくべき項目は共通する部分が多くあります。ジェトロは、販売店契約では取扱商品の制限、最低販売高、商品在庫の保有、補修部品やアフターサービス機能の確保、宣伝費負担などを特約することがある、と挙げています。これらを含めて整理すると次のようになります。

項目決める内容代理店で特に確認したい点販売店で特に確認したい点
独占権独占(Sole/Exclusive)か非独占か本人が直接受けた注文にも手数料が発生するか本人がその地域に直接販売できるか
テリトリー・対象商品担当する国・地域、顧客層、商品の範囲担当地域の顧客との取引の扱い地域外への販売をどう扱うか(日本の独禁法上の論点は次の章)
最低購入量・販売目標数量か金額か、年単位か、未達時の扱い最低の活動量・報告義務最低購入量と、未達成時に解除するのか独占権を外すのか
価格・報酬手数料の計算方法、または仕入価格手数料の対象取引・支払時期仕入価格の改定ルール(販売価格は原則として販売店が決める)
在庫・アフターサービス在庫の保有、補修部品、保守対応本人がどこまで対応するか在庫保有義務、補修部品の確保、宣伝費の負担
競合品の扱い競合商品を扱ってよいか商法・会社法の競業禁止との関係制限の内容によっては独禁法の論点になる
契約期間・更新・解除期間、自動更新、解除の条件と予告期間期間を定めない場合の予告期間(商法第30条等)解除・更新拒絶の条件。海外では現地法の制限に注意
準拠法・紛争解決どの国の法律で、どこで解決するか現地法で強制的に適用される規定がないか同左

最低購入量については、ジェトロ大分の会報に掲載された貿易実務の専門家(大貫雅晴氏)の解説が実務的です。それによれば、販売店契約に販売努力義務や最低購入保証の規定がない限り、独占販売店には原則として販売拡大の義務はないことに留意する必要があるとされています。同解説は、最低購入を数量・金額のどちらで決めるか、年単位か、義務なのか努力目標なのかを決め、未達成のときに解除するのか、条件を変えるのかまで契約書に明記しておくことを勧めています。

独占権を与えるなら、その見返りとして相手に何を求めるのかを、あいまいにしないことが大切です。

日本の独占禁止法との関係|流通・取引慣行ガイドライン

独占禁止法第6条は、事業者が不当な取引制限または不公正な取引方法に当たる事項を内容とする国際的協定・国際的契約をしてはならない、と定めています。販売店や代理店との契約も、その内容によっては独禁法の問題になり得ます。

メーカーと流通業者の取引について、公正取引委員会は「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(流通・取引慣行ガイドライン。最新の改正は2026年7月8日)で考え方を示しています。代理店・販売店の契約に関係が深い部分を抜き出すと次のとおりです。

販売価格の指示|販売店と代理店で扱いが分かれる

ガイドラインは、事業者が流通業者の販売価格(再販売価格)を拘束することは、原則として不公正な取引方法に該当し、違法となるとしています(独占禁止法第2条第9項第4号)。希望小売価格などを単なる参考として示すだけなら、それ自体は問題にならないとされています。つまり、商品を買い取って自分で売る販売店に対して、メーカーが販売価格を守らせることは、日本の独禁法上は原則として許されません。

一方で、ガイドラインは、取引先が「単なる取次ぎ」として機能し、実質的にみてメーカー自身が販売していると認められる場合は、価格を指示しても通常は違法とならないとしています。例として挙げられているのは、受託者が売れ残りや、保管上の注意義務を超える商品の滅失・毀損の危険を負わないなど、取引が委託者の危険負担と計算で行われている委託販売です。

2026年7月の改正では、この例外にもう1つの場面が加わりました。メーカーが流通業者に商品を販売する場合でも、ユーザーに売るまでに生じる危険と費用をメーカーが自ら負担し、実質的にメーカーがユーザーに販売していると認められる場合です。ガイドラインは、その危険・費用に通常含まれるものとして、売れ残りの危険、契約不適合の危険、在庫の滅失・毀損の危険、代金回収不能の危険、在庫保管・輸送・広告宣伝などの費用を挙げ、流通業者に費用を一部でも負担させればこの例外には当たらないとしています。

ここで挙がっている危険の種類は、先ほどの比較表で代理店と販売店を分けた項目とほぼ同じです。価格を決められるかどうかは、呼び名ではなく、誰がリスクを負っているかで判断される、ということです。

販売地域と競合品の制限

販売地域の制限について、ガイドラインは4つの形を区別しています。

  • 責任地域制(一定の地域で積極的に販売活動をする義務を課す)や販売拠点制(店舗の設置場所を限定する)は、通常は違法とならない
  • 厳格な地域制限(割り当てた地域の外での販売を制限する)は、市場における有力な事業者が行い、価格維持効果が生じる場合に違法となる
  • 地域外の顧客からの求めに応じた販売(受動的販売)の制限は、価格維持効果が生じる場合に違法となる。ネット通販で地域外の顧客から注文を受けた場合も受動的販売に当たる、との例が示されている

競合品の取扱いを制限すること(自社商品だけを扱わせる等)は、市場における有力な事業者が行い、市場閉鎖効果が生じる場合に違法となるとされています。「市場における有力な事業者」かどうかは、市場シェア20%超が一応の目安で、シェア20%以下の事業者や新規参入者が行う場合は通常は違法とならない、とされています。

第3部は「総代理店」

ガイドラインの第3部は、国内市場全域を対象とする総代理店について、総代理店契約の中で規定される主要な事項(独禁法上問題となる場合/問題とならない場合)と、並行輸入の不当阻害についての考え方を示しています。並行輸入との関係は並行輸入とは?もあわせてご覧ください。

公正取引委員会の相談事例には、ある繊維メーカーが外国メーカーの繊維の国内総代理店になる計画について、両社の製品に代替関係がなく競合していないことから問題ないと回答しつつ、将来両社が競合する関係になれば判断が変わり得る、とした例があります(2010年度相談事例集)。競合関係にある会社同士の総代理店契約は、競争への影響を個別に判断される点に注意が必要です。

なお、これらは日本市場についての日本の独禁法の考え方です。海外の販売店・代理店との契約では、相手国・地域の競争法も確認する必要があります。

海外で代理店・販売店を使うときの注意|代理店保護法制

海外では、代理店や販売店を保護するための法律を持つ国・地域があります。前出の大貫氏の解説は、EU、中東、中南米を代表例に挙げ、内容や形式は国ごとに異なるため、ケースごとに関係国の調査・検討が必要だとしています。ここでは、一次情報で中身を確認できた3つの例を紹介します。

国・地域根拠確認できた主な内容
EU理事会指令86/653/EEC(1986年12月18日、自営の商業代理人に関する指令)対象は、本人のために商品の売買を継続的に交渉(・締結)する自営の代理人。期間の定めのない契約の解除予告は1年目1か月・2年目2か月・3年目以降3か月で、これより短くは合意できない。契約終了後、代理人は一定の場合に補償(indemnity。上限は過去5年の平均年間報酬の1年分)または損害の賠償を受けられ、この規定を契約満了前に代理人に不利に変えることはできない
UAE(アラブ首長国連邦)2022年連邦法第3号(商業代理店法。2023年6月施行)「商業代理」の定義に、代理だけでなく販売店(distribution)や販売の契約も含まれる。商業代理業を営めるのは原則としてUAE国民やUAE国民が全額出資する法人等。経済省の登録簿に登録しない商業代理は無効。契約の早期終了や更新しない場合の予告期間、代理人の補償請求などを規定
エジプトジェトロ「エジプトにおける商業代理店法」(2023年1月)商業代理店は輸出入管理公団の登録簿への登録が必要で、登録できるのはエジプト国民や全資本をエジプト人が保有する法人など。外国企業との契約は商工会議所の公証とエジプト領事館の認証が必要。事前通知なし・不適切な時期の解除や、期間を定めた契約の正当な事由のない解除では補償金が必要。紛争中は代理店が新しい代理店の登録阻止を要請できる

EU指令は加盟国が国内法に取り込む形をとっているため、実際に適用されるのは各国の国内法です。また、指令が対象としているのは代理人(commercial agent)であり、販売店がどう扱われるかは国ごとに確認が必要です。

UAEの法律は、条文の英訳(UAE政府の法令サイト掲載)で確認しました。同サイトは、解釈・適用にあたってはアラビア語の原文が優先されると注記しています。

これらの例から分かるのは、日本の感覚で「契約書に解除できると書いたから大丈夫」とは限らない、ということです。海外の相手と契約する前に、少なくとも次の点を確認しておくと安心です。

  • 相手国に代理店・販売店を保護する法律があるか。対象は代理店だけか、販売店も含むか
  • 政府機関への登録が必要か。登録しないと契約の効力に影響するか
  • 解除や更新しないときの予告期間、補償金の有無
  • 現地の法律が、当事者の合意(準拠法の選択を含む)より優先して適用される規定がないか

国別の制度はジェトロの貿易・投資相談やQ&A、国別の調査レポートで調べられます。最終的な判断は、現地の法律に詳しい専門家に確認してください。

どちらを選ぶ?代理店と販売店の選び方

ここまでの違いを、メーカーが海外販路をつくる場面に当てはめると、選び方の考え方は次のように整理できます。どちらが有利かは一律には言えず、何を自社に残し、何を相手に任せたいかで決まります。

自社が重視したいこと向いている形理由と注意点
現地での販売価格や取引条件を自社で決めたい代理店売買の当事者は自社なので価格を決められる。その代わり、在庫・代金回収・輸出手続きの負担は自社に残る
代金回収や在庫のリスクを相手に持ってほしい販売店売り切り・買い切りなので、客先の支払不能や売れ残りは販売店の負担。その代わり、販売価格は販売店が決める
客先ごとの輸出・代金回収の手間を減らしたい販売店自社の売り先は販売店になり、現地の客先への販売と回収は販売店側の仕事になる。代理店の場合、商品は自社から客先へ直送され代金も客先から直接受け取る
現地顧客の情報や関係を自社に蓄積したい代理店客先と自社が直接契約するので、顧客との関係が自社に残りやすい
在庫・補修部品・アフターサービスを現地で確保したい販売店(特約で在庫・保守を義務付け)ジェトロも在庫保有や補修部品の確保を特約する例を挙げている

代理店を使う場合、自社が客先と直接取引するので、決済条件や為替、取引先の信用リスクへの備えが自社の課題になります。決済の方法は貿易決済の方法、為替の影響は為替リスクと対策、代金回収不能への備えは貿易保険とはで解説しています。

なお、日本の商社も、取引によって代理人として手数料を得る場合と、自ら買い取って売る場合があります。商社という業態そのものは商社とは?仕事内容・種類・メーカーや卸売業者との違いをご覧ください。代理店・販売店の候補をどう探すかは海外取引先の探し方で整理しています。

よくある質問

Q. 販売代理店とは何ですか?

日常的には、メーカーの商品を扱って販売する会社を広く指す言葉として使われています。ただしジェトロは、「販売代理店」「特約店」といった名称だけでは、手数料で仲介する代理店(Agent)なのか、買い取って再販する販売店(Distributor)なのかは区別できないとしています。契約書で、誰が客先と売買契約を結び、在庫と代金回収のリスクを負うのかを確認してください。

Q. 総代理店と独占販売店は同じ意味ですか?

ジェトロの説明では、代理店が独占的な地位を得たものが総代理店・独占代理店(Sole Agent/Exclusive Agent)、販売店が独占的な地位を得たものが総販売店・独占販売店(Sole Distributor/Exclusive Distributor)です。ただし実際には、独占販売契約を結んだ会社が「輸入総代理店」と名乗る例もしばしば見られるとされており、名称だけでは判断できません。

Q. 代理店の手数料は何%が相場ですか?

一次情報で確認できる「相場」はありません。商品、市場、代理店が担う業務の範囲によって変わるため、本記事では一律の数字は示しません。なお、EUの代理人指令は、当事者間に報酬の合意がない場合、その地域でその商品の代理人に慣行上認められている報酬を受ける権利がある(慣行がなければ合理的な報酬)と定めています。手数料の考え方は口銭とはも参考にしてください。

Q. 販売店に販売価格を指定できますか?

日本の独占禁止法では、流通業者の販売価格を拘束することは原則として違法とされています(公正取引委員会の流通・取引慣行ガイドライン)。参考価格として示すだけなら、それ自体は問題になりません。また、取引先が実質的に取次ぎにすぎず、メーカーが売れ残りや代金回収などの危険と費用を負担している場合は、価格を指示しても通常は違法とならないとされています。海外の販売店については、相手国の競争法の確認が必要です。

まとめ

  • 代理店(Agent)は本人のために取引をつなぎ手数料を得る立場で、売買契約の当事者にならない。販売店(Distributor)は本人から買い取り、自分の名前と責任で再販し、売買差益を得る立場。
  • 違いの根っこは「客先と売買契約を結ぶのは誰か」。そこから在庫・代金回収・価格決定・収益の形が決まる。
  • 「販売代理店」「特約店」「総代理店」といった呼び名だけでは区別できない。契約書で権利と義務を明確にする。
  • 契約では独占権、テリトリー、最低購入量、在庫・アフターサービス、期間と解除、準拠法を決めておく。日本の独禁法では、販売店への価格拘束や一部の地域・競合品の制限が問題になり得る。
  • 海外ではEU・UAE・エジプトのように、代理店・販売店を保護する法律や登録制度を持つ国・地域がある。契約前に現地法を確認する。

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参考・出典

※本記事は公開日時点の法令・公的資料にもとづく一般的な解説であり、個別の契約についての法的助言ではありません。海外の法令は改正されることがあり、UAEの法令は英訳で確認しています(原文はアラビア語が優先)。実際の契約にあたっては、最新の法令を確認し、弁護士など専門家にご相談ください。

(公開日:2026-10-30/貿易ラボ編集部)

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