最終更新日: 2026年7月2日
※本記事は公開時点の公的情報をもとに作成しています。規制品目や制度は変わることがあり、貨物や状況によって扱いが異なります。実際に輸出入する際は、税関や所管の官庁に最新の内容を必ずご確認ください。
輸出入をするとき、どんな商品でも自由に扱えるわけではありません。「そもそも扱ってはいけないもの」や、「扱うには許可・届出が必要なもの」があります。これを知らずに手続きを進めると、貨物が税関で止められたり、場合によっては罰則の対象になったりすることもあります。
この記事では、輸出入の規制・禁止品目を、関税法で禁止される貨物と、他の法律で許可・承認が必要な品目に分けて、税関の公式情報をもとにやさしく整理します。まず貿易の全体像は「貿易とは」(P0)を、手続きの流れは「輸出入手続きの流れ」(B1)もあわせてご覧ください。
輸出入の規制は大きく2種類
輸出入の規制は、大きく次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
- 関税法そのもので、輸出入が禁止されている貨物:麻薬や偽造品、知的財産を侵害する物品など。これらは原則として輸出入できません。
- 他の法律で、許可・承認・検査が必要な貨物:食品や医薬品、植物など。手続きを踏めば扱えますが、事前の許可や届出が求められます。
まずは「禁止されているもの」、次に「許可が要るもの」の順に見ていきましょう。手続き全体の流れは「輸出入手続きの流れ」(B1)で解説しています。
輸入してはならない貨物(関税法)
関税法では、輸入してはならない貨物が定められています(関税法第69条の11)。税関の説明によると、代表的なものは次のとおりです(出典:税関)。
- 麻薬・向精神薬・大麻・あへん・けしがら・覚醒剤、指定薬物など
- 拳銃などの銃砲、その銃砲弾、拳銃部品
- 爆発物、火薬類
- 化学兵器の原材料となる特定物質、病原体など
- 貨幣・紙幣・有価証券・クレジットカードなどの偽造・変造・模造品
- 公安または風俗を害すべき書籍・図画など
- 児童ポルノ
- 特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権などの知的財産を侵害する物品
- 不正競争防止法に違反する一定の物品
これらは原則として輸入できません。知らずに購入・輸入してしまうケースもあるため、仕入れの前に確認しておくことが大切です。
輸出してはならない貨物(関税法)
輸出についても、禁止される貨物が定められています(関税法第69条の2)。おもなものは次のとおりです(出典:税関)。
- 麻薬・向精神薬・大麻・あへん・けしがら・覚醒剤
- 児童ポルノ
- 特許権・商標権・著作権などの知的財産を侵害する物品
- 不正競争防止法に違反する一定の物品
輸入・輸出のいずれでも、麻薬類・児童ポルノ・知的財産侵害物品は禁止されている、という点は共通しています。
他の法律で規制される品目(許可・承認・検査が必要)
関税法で禁止されていなくても、別の法律(他法令)で許可・承認・検査が必要な品目は数多くあります。手続きを踏めば扱えますが、事前の準備が欠かせません。代表的な例は次のとおりです。
- 食品:食品衛生法に基づく輸入届出(検疫所)
- 医薬品・化粧品・医療機器:医薬品医療機器等法(薬機法)
- 植物・種苗:植物防疫法に基づく検査
- 動物・畜産物:家畜伝染病予防法などに基づく検査
- 絶滅のおそれのある動植物やその加工品:ワシントン条約(輸出入に許可が必要)
- 刀剣・鉄砲:銃刀法
- 安全保障上の観点から規制される貨物・技術:外為法に基づく安全保障貿易管理
こうした「他法令」で手続きが必要な貨物は、輸出入の際に税関がその手続きが済んでいるかを確認します(関税法第70条/出典:税関)。とくに輸出における安全保障貿易管理は見落としやすいので、「輸出ビジネスの始め方」(E2)もあわせて確認してください。
知的財産を侵害する物品に注意
初心者がとくに気をつけたいのが、模倣品・コピー品です。偽ブランド品やコピー製品などの知的財産を侵害する物品は、輸出入とも禁止されています。海外の通販サイトで「安いから」と購入したものが、税関で止められることもあります。
知的財産権の権利者は、税関に対して輸入の差止めを申し立てる制度(輸入差止申立制度)を使うことができ、税関は水際でこうした物品の取締りを行っています。個人輸入であっても対象になり得るため、正規の商品か、信頼できる仕入れ先かを必ず確認しましょう。輸入ビジネスの始め方は「個人で輸入ビジネスを始めるには」(E1)でも注意点を整理しています。
迷ったときの確認方法
「この商品は扱えるのか」を確認したいときは、次の方法があります。
- 税関の「輸出入禁止・規制品目」ページで、禁止・規制の対象かを確認する。
- HSコード(商品分類番号)や品目分類は、税関の事前教示制度で事前に確認できる(「HSコードとは」B6)。
- 判断に迷う場合は、所管の官庁や税関の相談窓口に問い合わせる。通関の流れは「通関とは」(B2)を参照。
「大丈夫だろう」と自己判断せず、公的情報で裏を取ってから進めるのが安全です。
まとめ
輸出入の規制・禁止品目を整理すると、次のとおりです。
- 規制は大きく2種類。関税法で禁止される貨物と、他法令で許可・承認・検査が必要な貨物。
- 関税法で輸入してはならない貨物(69条の11)=麻薬類・銃器・爆発物・偽造品・児童ポルノ・知的財産侵害物品など。
- 輸出してはならない貨物(69条の2)=麻薬類・児童ポルノ・知的財産侵害物品など。
- 食品・医薬品・植物・ワシントン条約対象・安全保障上の規制品などは、他法令で許可・届出・検査が必要。
- 模倣品は個人輸入でも対象。迷ったら税関・所管官庁に確認する。
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参考・出典
- 税関 Japan Customs カスタムスアンサー2001「輸入してはならない貨物とは」(関税法第69条の11)
- 税関 Japan Customs カスタムスアンサー2501「輸出してはならない貨物」(関税法第69条の2)
- 税関 Japan Customs カスタムスアンサー1801「税関で確認する輸入関係他法令の概要」
- 税関 Japan Customs「輸出入禁止・規制品目」


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