最終更新日: 2026年6月26日 ※本記事は公開時点の公的情報をもとに作成しています。制度・税率・手続きは変更される場合があるため、実際の取引にあたっては税関の最新の公式情報をご確認ください。
貿易の手続きの中でも、初心者が最もつまずきやすいのが「通関」です。輸出入されるすべての貨物は、この通関を通らなければ国境を越えることができません。
この記事では、通関とは何か、なぜ必要なのか、そして申告から許可までの手続きの流れと必要書類を、税関の公式情報をもとにやさしく解説します。貿易全体の流れの中での通関の位置づけを知りたい方は、「貿易取引の流れ」や総合ガイド「貿易とは」もあわせてご覧ください。
通関とは
通関とは、輸出入する貨物について、品目・数量・金額などを税関に申告し、検査などを経て許可を受ける一連の手続きのことです。輸出入されるすべての貨物は、原則としてこの通関を経なければ国境を越えることができません。
「税関」と「通関」は混同されやすい言葉ですが、税関は手続きを行う役所(行政機関)、通関はその税関に対して行う手続きそのもの、と整理すると分かりやすくなります。
通関はなぜ必要なのか
通関には、大きく3つの目的があります。税関によれば、輸入通関の目的は「輸入貿易の管理」「関税等の徴収」「貿易統計の作成」にあるとされています(出典:税関 Japan Customs/ジェトロ)。
第一に、輸入してよいモノかどうか、安全や規制の観点から管理するためです。第二に、輸入品にかかる関税や消費税を適正に徴収するためです。第三に、どんなモノがどれだけ行き来したかという貿易統計の基礎データを集めるためです。私たちが国境を越えてモノを売り買いする裏側で、通関がこうした役割を担っています。
輸入通関手続きの流れ
輸入の通関手続きは、一般的に「申告 → 審査 → 検査 → 納税 → 許可」という流れで進みます(出典:税関 Japan Customs)。順に見ていきましょう。
1. 輸入(納税)申告
輸入者は、税関に対して輸入申告を行います。貨物の品目・数量・価格などを申告し、必要な書類を提出します。現在はインボイスなどの紙だけでなく、「輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)」を使った電子申告が広く活用されています。
2. 審査
税関は、提出された申告内容と書類を審査します。申告された品目の分類(HSコード)や価格、関税率が適正かどうか、輸入が認められる貨物かどうかなどを確認します。
3. 検査
必要に応じて、貨物の現物検査が行われます。すべての貨物が検査されるわけではなく、申告内容や貨物の種類に応じて、検査の要否が判断されます。
4. 納税
審査・検査を経て、輸入者は関税や消費税などの税金を納付します。輸入品には品目に応じた関税がかかるのが原則で、税率は商品を分類する国際的な番号「HSコード」をもとに決まります。関税の種類や計算方法は「関税とは?種類・課税の仕組み・計算方法」でくわしく解説しています。
5. 輸入許可
税関は、原則として輸入者が関税等を納付したことを確認した後、輸入を許可します。輸入許可を受けて、はじめて貨物を国内に引き取ることができます。
輸出通関手続きの流れ
輸出の場合も、貨物を船や飛行機に積む前に通関が必要です。輸出者は税関へ輸出申告を行い、審査・検査を経て輸出の許可を受けます。輸出には原則として関税はかからないため、輸入のような納税のステップは基本的にありません。輸出許可を受けた貨物が、船積みへと進みます。
通関に必要な主な書類
通関では、取引内容を証明するさまざまな書類が必要になります。代表的なものは次のとおりです。
インボイス(仕入書)は、商品の明細と金額を示す書類で、価格や数量を税関に伝える基礎資料になります。パッキングリスト(包装明細書)は、梱包の内容や個数・重量を示す書類です。船荷訽券(B/L)や航空運送状(AWB)は、輸送を証明する書類です。これらに加え、品目によっては原産地証明書や、各種法令に基づく許可・承認の証明が求められることもあります。
必要書類は品目や取引条件によって変わるため、実務では通関業者やフォワーダーに確認しながら準備を進めるのが安全です。
通関業者とは
通関手続きは専門的で、書類の準備や申告に知識を要します。そこで、税関への申告手続きを輸出入者に代わって行う専門業者が「通関業者」です。通関業者には、国家資格である通関士が在籍しています。
初めての貿易や、扱う啁目が複雑な場合は、通関業者やフォワーダーに手続きを依頼するのが一般的です。自社だけで抱え込まず専門家を活用することで、申告ミスや許可の遅れといったリスクを抑えられます。
まとめ
通関とは、輸出入する貨物を税関に申告し、審査・検査・(輸入の場合は)納税を経て許可を受ける手続きです。輸入通関は「申告 → 審査 → 検査 → 納税 → 許可」の流れで進み、その目的は貿易の管理・関税等の徴収・貿易統計の作成にあります。
通関は専門性が高い領域なので、通関業者やフォワーダーの力を借りながら進めるのが安心です。あわせて読みたい記事は次のとおりです。
参考・出典
- 税関 Japan Customs「1101 輸入通関手続の概要(カスタムスアンサー)」 https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1101_jr.htm
- ジェトロ(JETRO)「輸入通関の目的と手続きの流れ:日本」 https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010137.html
- ジェトロ(JETRO)「輸入における税関の書類審査と貨物検査:日本」 https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-020107.html


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