HSコードとは?何桁かの意味と調べ方を実例でやさしく解説

実務・手続き

HSコードとは、貿易で取引されるあらゆる品物を分類するために、世界共通のルールでつけられた番号のことです。HSは「Harmonized Commodity Description and Coding System(商品の名称及び分類についての統一システム)」の略で、税関に輸出入を申告するとき、関税率を調べるとき、貿易統計をとるとき、EPA(経済連携協定)を使うときなど、貿易のあらゆる場面で使われます。

ただ、実際に調べようとすると「HSコードは何桁なの?6桁?9桁?」「税関のサイトのどこを見ればいいの?」とつまずく人が少なくありません。番号の並び方と、税関が公開している品目表の読み方さえ分かれば、HSコードは自分で調べられるようになります。

この記事では、HSコードの定義と桁数の意味、部・類・項・号の構造を整理したうえで、税関の品目表を使った調べ方を、緑茶と日本酒(清酒)という実在の品目を例に一歩ずつ説明します。分類のルール(通則)、迷ったときの事前教示制度、2028年の改正予定までまとめました。関税そのものの仕組みは関税とはで解説しています。

HSコードとは|世界共通の品物の分類番号

税関によると、国際貿易で取引される物品を、関税率表や統計品目表の該当する箇所に当てはめる作業を「品目分類(または関税分類)」と呼びます。この分類の土台になっているのが、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」(通称HS条約)の附属書に定められた「HS品目表」です。

HS条約は1988年1月に発効し、令和6年4月現在で日本をはじめ160か国・地域が加盟しています(税関「品目分類とHS」)。HS品目表は、関税率の設定や貿易統計のためのデータ収集のほか、貿易交渉、原産地規則、貿易管理など、多目的に使われています。

日本の関税率表や輸出入の統計品目表は、このHS品目表を必要に応じてさらに細かく分けてつくられています。税関は、番号のうち6桁まではHS品目表にもとづく番号なので「HSコード」「HS番号」と呼ぶと説明しています。世界中の税関が同じ6桁の分類を使っているので、「この番号の品物」と言えば、どの国でもおおむね同じ種類の品物を指せます。これがHSコードの最大の意義です。

HSコードは何桁?|6桁が世界共通、日本の申告は9桁

「HSコードは何桁か」という疑問への答えは、世界共通なのは6桁まで、日本で輸出入の申告に使う番号は9桁です。財務省貿易統計の説明では、税関での輸出入申告は9桁の「統計品目番号」で行い、そのうち6桁目まではHS条約にもとづき国際的に統一されています。7桁目以降の3桁は日本独自の細分(統計細分)です。

桁呼び方内容決めているのは
上2桁類品物の大きなグループ(例:第9類=コーヒー、茶、マテ及び香辛料)HS品目表(世界共通)
上4桁項類の中の品物の種類(例:09.02=茶)HS品目表(世界共通)
上6桁号項をさらに細かく分けた区分(例:0902.10=緑茶の一部)HS品目表(世界共通)
7〜9桁目統計細分日本独自の細分。細分しない場合は「000」日本(輸出統計品目表・輸入統計品目表)
9桁全体統計品目番号号の6桁+統計細分の3桁。輸出入の申告に使う日本

注意したいのは、7桁目以降の細分は、輸出と輸入で必ずしも同じではないという点です(財務省貿易統計「統計品目番号の調べ方」)。6桁目までは輸出も輸入も共通ですが、残りの3桁は輸出なら「輸出統計品目表」、輸入なら「輸入統計品目表(実行関税率表)」で別々に確認する必要があります。後の章で、緑茶を例にその違いを実際に見てみます。

また、7桁目以降は各国が独自に定めるので、取引相手の国の番号と日本の番号が一致するのは原則として6桁までです。

HSコードの構造|部・類・項・号

HS品目表は、品物を大きなくくりから細かいくくりへと階層的に並べています。税関の説明では、品物はほぼ産業別の「部」と、原料・材料などの素材を加工度によって、または素材に関係なく用途・機能などによって分けた「類」に区分されています。

階層数(HS2022)番号の桁
部21番号には現れない(第1部〜第21部)
類96(第1類〜第97類。第77類は欠番)2桁
項1,2274桁
号5,6116桁

類の番号は第97類まであるのに数が96なのは、第77類が欠番だからです。関税率表の備考には、第77類はHS条約で将来使う可能性に備えて保留されている、と書かれています。財務省貿易統計が「21部97類」、税関の解説が「96類」と書いているのはこのためで、どちらも同じことを指しています。

部と類の対応を、いくつか例に挙げると次のとおりです(輸出統計品目表・実行関税率表の目次より)。

部部の表題(要約)含まれる類
第1部動物(生きているもの)及び動物性生産品第1類〜第5類
第2部植物性生産品第6類〜第14類(茶は第9類)
第4部調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ等第16類〜第24類(酒は第22類)
第11部紡織用繊維及びその製品第50類〜第63類(衣類は第61類・第62類)
第16部機械類及び電気機器並びにこれらの部分品等第84類・第85類
第17部車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品第86類〜第89類
第21部美術品、収集品及びこつとう第97類

HS品目表は、項と号の規定・番号のほか、部・類・号の「注」と、「HSの解釈に関する通則」から成り立っています。注は、項や号の範囲、項・号どうしの関係や優先順位をはっきりさせるために、各部・各類の表の前に置かれています。

HSコードは何に使われる?

HSコードが使われる主な場面は、次の4つです。

  • 関税率を決める:輸入品にかかる関税率は、品目ごとに番号に結びつけて定められています。番号が決まらないと、かかる関税率も分かりません。実行関税率表には、番号ごとの基本税率やWTO協定税率、EPA税率などが並んでいます。
  • 輸出入を申告する:税関への輸出入申告は、9桁の統計品目番号で行います。申告の流れは通関とはで解説しています。
  • 貿易統計をとる:財務省の貿易統計(品別表)は、この統計品目番号ごとに集計されています。
  • EPAの原産地を判定する:EPAで関税の優遇を受けるには、品物が協定の相手国の原産品であることを示す必要があります。原産地のルールには、原材料と完成品の番号の違いで判定する「関税分類変更基準」があり、ここでもHSコードが土台になります。原産地の証明については原産地証明書とはを参照してください。

HSコードの調べ方|税関の品目表を「部→類→項→号→統計細分」とたどる

自分の品物のHSコード(統計品目番号)は、税関のウェブサイトで公開されている品目表で調べられます。財務省貿易統計「統計品目番号の調べ方」と税関「品目分類とHS」の説明をもとに、手順を整理します。

  1. 輸出か輸入かを決め、使う表を選ぶ:輸出なら「輸出統計品目表」、輸入なら「輸入統計品目表(実行関税率表)」です。表は改正されるので、必ず最新版を開きます(2026年10月30日時点の最新は、輸出統計品目表が2026年1月版、実行関税率表が2026年8月8日版)。
  2. 部と類の表題から、あたりをつける:表の目次は21部・97類(第77類は欠番)に分かれています。表題を手がかりに、品物が含まれていそうな類を選びます。ただし部や類の表題は参考のためのもので、それだけで分類は決まりません。
  3. 部注・類注を読む:選んだ部と類の「注」に、その類に含まれるもの・含まれないものが書かれています。
  4. 項(4桁)を探す:類の品目表を開き、左端の列にある4桁の番号(項)と品名を見ていきます。
  5. 号(6桁)を探す:項を細分したのが号です。ここまでが国際的に統一されています。項の最後の号は「その他のもの」になっていることが多く、その項に含まれる品物のうち、それより前の号に入らないもの全部が入ります。
  6. 統計細分(3桁)を確認する:左から2列目に3桁の番号が書かれています。細分されていない号は「000」です。号の6桁と合わせた9桁が統計品目番号です。
  7. 迷ったら事例を調べる:税関の「品目分類検索」「輸入貨物の品目分類事例」「事前教示回答(品目分類)」や、関税率表解説・分類例規が参考になります。それでも決まらなければ、後で説明する事前教示制度を使います。

品名の欄に番号がなく品名だけが書かれている行は、その下に続く号をまとめる見出しの役割をしています。また、4桁の項の品名欄が空欄で、その直下に5・6桁目が「00」の号がある場合は、その項が複数の号に分かれていないことを示します(財務省貿易統計)。この2点を知っておくと、表がぐっと読みやすくなります。

実例1:粉末状の緑茶を輸出する場合

例として、発酵させていない緑茶の粉末を、正味3キログラム以下の袋に直接包装して輸出する場合をたどってみます(輸出統計品目表2026年1月版で確認)。

段階番号品目表の表記
部第2部植物性生産品
類(2桁)09第9類 コーヒー、茶、マテ及び香辛料
項(4桁)09.02茶(香味を付けてあるかないかを問わない。)
号(6桁)0902.10緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以下の直接包装にしたものに限る。)
統計細分(3桁)100粉末状のもの
統計品目番号(9桁)0902.10-100輸出申告で使う番号

同じ緑茶でも、正味3キログラム以下の直接包装という条件に当てはまらなければ、号は「0902.20 その他の緑茶(発酵していないものに限る。)」に変わります。包装の重さという条件ひとつで6桁目が変わる、というのが品目分類の細かさです。

実例2:日本酒(清酒)を輸出する場合

次に、日本酒(清酒)の輸出です(輸出統計品目表2026年1月版で確認)。

段階番号品目表の表記
部第4部調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ等
類(2桁)22第22類 飲料、アルコール及び食酢
項(4桁)22.06(品名は号の欄に記載)
号(6桁)2206.00その他の発酵酒(例えば、りんご酒、梨酒、ミード及び清酒)並びに発酵酒とアルコールを含有しない飲料との混合物及び発酵酒の混合物(他の項に該当するものを除く。)
統計細分(3桁)200清酒
統計品目番号(9桁)2206.00-200輸出申告で使う番号

22.06の項は号に分かれていないので、6桁は「2206.00」になります。先ほど説明した「5・6桁目が00」のパターンです。清酒そのものは6桁の段階では「その他の発酵酒」に含まれていて、日本独自の統計細分「200」で初めて「清酒」として区別されています。

同じ緑茶でも、輸入では番号が違う

最後に、輸出と輸入で7桁目以降が違う例を見ておきます。実例1と同じ6桁「0902.10」を、輸入側の実行関税率表(2026年8月8日版)と並べると次のとおりです。

表6桁(号)統計細分9桁の番号
輸出統計品目表(2026年1月版)0902.10100(粉末状のもの)/900(その他のもの)0902.10-100/0902.10-900
実行関税率表(2026年8月8日版)0902.10000(細分なし)0902.10-000

輸出では「粉末状かどうか」で番号を分けていますが、輸入では分けていません。6桁が同じでも9桁は一致しないので、輸出と輸入で同じ番号を使い回さないよう注意してください。

分類のルール「関税率表の解釈に関する通則」

品物によっては、どの項に入るのか判断が分かれることがあります。そのときのよりどころが「関税率表の解釈に関する通則」(輸出は「輸出統計品目表の解釈に関する通則」)で、通則1から6までの6つのルールから成っています。要点は次のとおりです。

通則内容(要約)
通則1部・類・節の表題は参照のためのもの。分類は、項の規定と部注・類注に従って決める
通則2(a) 未完成でも完成品としての重要な特性があれば完成品の項に含める。組み立てていない・分解した物品も同様。(b) ある材料の項には、その材料に他の材料を混ぜたものも含む
通則32つ以上の項に入りそうなとき:(a) 最も特殊な限定をしている項を優先、(b) 混合物やセットは重要な特性を与えている材料・構成要素で決める、(c) それでも決まらなければ番号順で最後の項
通則4以上で決まらなければ、最も類似する物品の項に入れる
通則5カメラケースのように特定の物品用につくられた容器や、通常の包装材料は、中身と一緒に分類する(例外あり)
通則6号の決定も号の規定と号注に従い、同じ水準の号どうしで比べる

ふだんは通則1、つまり「項の文言と注で決める」で大半の分類が決まります。セット商品や複数の素材でできた品物など、判断が難しいときに通則2以降が登場する、と押さえておけば十分です。

分類に迷ったら:事前教示制度

素材や用途が複合的な品物などで分類に迷う場合は、税関の事前教示制度を使えます。輸入を予定している貨物の関税率表上の所属区分(税番)や関税率などを、輸入の前に税関に照会し、回答を受けられる制度です(税関カスタムスアンサー1202)。

項目内容
照会の方法原則として文書(税関様式C第1000号)。口頭(電話・窓口)やEメールでも照会できる
回答までの期間文書照会の関税分類は、照会書の受理から原則30日以内(行政機関の休日は算入しない)(東京税関)
回答の効力文書回答(事前教示回答書)の所属区分・関税率・統計品目番号は、輸入申告の審査の際に尊重される。有効期間は3年間
尊重されない場合照会内容と現品が違うとき、有効期間を過ぎたとき、法令改正で取扱いが変わったときなど
口頭・Eメールの照会輸入申告の審査の際に尊重される取扱いは行われない(Eメールは一定の条件で文書照会に準じた扱いに切り替え可能)
回答に意見がある場合回答書の交付の翌日から2か月以内に限り、再検討を求める意見の申出ができる
回答の公開文書回答は原則として税関のウェブサイトなどで公開される。正当な理由があれば180日を超えない非公開期間を求められる(東京税関)

公開された事前教示回答は、税関の「事前教示回答(品目分類)」で検索できます。似た品物の回答を探すと、自分の品物の分類を考えるヒントになります。

HSコードは改正される|HS2022と次のHS2028

HS品目表は一度決まったら永久に同じ、というものではありません。WCO(世界税関機構)によると、HSは通常5年周期で見直されています。いま使われているのは「HS2022」で、日本では2022年1月1日版の実行関税率表・輸出統計品目表からHS2022が発効しています。

次の改正はHS2028で、WCOは2026年1月21日に、HS2028の改正が受諾され、2028年1月1日に発効すると公表しました。HSの第8版にあたり、今回の見直しは新型コロナの影響で例外的に6年(2019年7月〜2025年6月)かけて行われています。

項目HS2028の内容(WCOの公表)
発効日2028年1月1日
改正の数299セット
改正後の項・号の数項1,229、号5,852
HS2022からの増減項:6新設・5削除、号:428新設・172削除
主な変更点ワクチンを第30.02項から新しい第30.07項(人用)・第30.08項(その他)へ移す/栄養補助食品(dietary supplements)の第21.07項を新設/プラスチックくず(第39.15項)をバーゼル条約の区分に合わせて細分 など

改正があると、同じ品物でも番号が変わったり、新しい区分ができたりします。過去に調べた番号をそのまま使い続けると、現在の表とずれてしまうおそれがあります。申告のたびに、その時点の最新の品目表で確認するようにしましょう。

よくある質問

Q. HSコードは何桁ですか?

A. 世界共通のHSコードは6桁です(上2桁が類、4桁が項、6桁が号)。日本の輸出入申告では、この6桁に日本独自の統計細分3桁を加えた9桁の「統計品目番号」を使います。7桁目以降は国ごとに決めるため、他の国では桁数や番号が日本と異なります。

Q. 輸出と輸入で同じ番号を使えますか?

A. 6桁目までは共通ですが、7〜9桁目は輸出と輸入で必ずしも同じではありません。たとえば緑茶(0902.10)は、輸出統計品目表では粉末状かどうかで「100」「900」に分かれますが、実行関税率表では「000」です。輸出は輸出統計品目表、輸入は実行関税率表で確認してください。

Q. 取引先の国が使っている番号と、日本の番号は同じですか?

A. 一致するのは原則として6桁までです。7桁目以降は各国が独自に細分しています。相手国での関税率などを調べるときは、6桁を手がかりに相手国の品目表で確認します。

Q. 自分で調べた番号が正しいか不安なときは?

A. 税関の品目分類の事例や、公開されている事前教示回答で似た品物を探してみてください。それでも判断がつかない場合は、事前教示制度で文書照会をすれば、回答は輸入申告の審査の際に3年間尊重されます。各地の税関の相談窓口でも相談できます。実務では通関業者に相談する方法もあり、通関の専門家については通関士とはで解説しています。

まとめ

  • HSコードは、HS条約にもとづく世界共通の品物の分類番号です。160か国・地域が加盟しています(令和6年4月現在)。
  • 世界共通なのは6桁まで(類2桁・項4桁・号6桁)。日本の輸出入申告は、統計細分3桁を加えた9桁の統計品目番号で行います。7桁目以降は輸出と輸入で異なることがあります。
  • 構造は21部・96類(第77類は欠番)・1,227項・5,611号(HS2022)。調べるときは「部→類→項→号→統計細分」の順にたどり、部注・類注も確認します。
  • 分類は「関税率表の解釈に関する通則」に従い、迷ったら事前教示制度(文書回答は3年間尊重)を使えます。
  • 次の改正HS2028は2028年1月1日に発効します。番号はつねに最新の品目表で確認しましょう。

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参考・出典

※本記事は公開日時点の税関・WCOの公表資料にもとづく一般的な解説です。品目表は改正されることがあり、個別の品物がどの番号に該当するかは細かな判断を伴います。実際の申告にあたっては、最新の品目表を確認し、必要に応じて税関の相談窓口や事前教示制度をご利用ください。

(公開日:2026-06-29/最終更新:2026-10-30/貿易ラボ編集部)

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