HSコードとは?仕組み・桁数の意味・調べ方を初心者向けにやさしく解説

実務・手続き

最終更新日: 2026年6月29日
※本記事は公開時点の公的情報をもとに作成しています。品目分類やHSコードは改正されることがあり、また個別の商品がどの番号に該当するかは細かな判断を伴います。実際の取引にあたっては、税関の最新情報や事前教示制度をご確認ください。

貿易では、世界中で取引されるあらゆる商品に、共通の「分類番号」がつけられています。これがHSコードです。HSコードは、関税率を決めるとき、税関に輸出入を申告するとき、貿易統計をとるとき、EPA(経済連携協定)で関税の優遇を受けるときなど、貿易のさまざまな場面で使われる、いわば商品の「住所」のような番号です。

この記事では、HSコードとは何か、6桁や9桁といった桁数が何を意味するのか、そして自分の商品のHSコードをどう調べればよいのかを、税関・JETRO(日本貿易振興機構)などの公式情報をもとにやさしく解説します。貿易の全体像から知りたい方は、総合ガイド「貿易とは」(P0)もあわせてご覧ください。

HSコードとは

HSコードとは、国際貿易で取引される商品を分類するための、世界共通の番号です。HSは「Harmonized Commodity Description and Coding System(商品の名称及び分類についての統一システム)」の略で、この仕組みを定めた「HS条約」は1988年1月に発効し、日本を含む160の国・地域が加盟しています(令和6年4月現在。出典:税関「品目分類とHS」)。

商品をHSコードのどの番号に当てはめるかを決める作業を、品目分類(または関税分類)と呼びます。たとえば「コーヒー」と「コーヒーカップ」はまったく違う商品ですから、それぞれ別の番号に分類されます。世界中の税関が同じ分類システムを使っているおかげで、「この番号の商品」と言えば、どの国でもおおむね同じ種類の商品を指せるようになっています。これがHSコードの最大の意義です。

HSコードの構造(部・類・項・号)

HSコードは、大きなくくりから細かいくくりへと、階層的に商品を整理しています。いちばん大きなくくりがで全21、その下にが96あります(出典:税関「品目分類とHS」)。番号としては、上位の桁から順に意味が決まっています。

桁数呼び方意味
上2桁類(るい)大きな商品グループ(例:食品、機械、繊維など)
上4桁項(こう)類の中の商品の種類
上6桁号(ごう)項をさらに細かく分けた区分

たとえば、最初の2桁でその商品が大きくどのグループに入るか(類)が決まり、4桁・6桁と桁が増えるごとに、商品の特定がより細かくなっていく、というイメージです。自分の商品がどの番号かを探すときも、まず「どの類に入りそうか」という大きなあたりをつけてから、項・号へと絞り込んでいきます。

6桁は世界共通、日本では9桁

HSコードでよく混乱するのが「桁数」です。ポイントは、どこまでが世界共通で、どこからが各国独自かを分けて理解することです。

上6桁(号)まではHS条約にもとづき世界共通です。つまり、加盟する160の国・地域では、6桁までは同じ番号で同じ種類の商品を指します。一方、7桁目から先は各国が独自に細かく定めてよいことになっており、日本では6桁に3桁を加えた9桁の番号を使っています。この日本独自の7〜9桁目を「統計細分」と呼びます(出典:税関、JETRO)。9桁の番号は「統計品目番号」とも呼ばれます。

実務では、輸出のときは税関の「輸出統計品目表」、輸入のときは「輸入統計品目表(実行関税率表)」という表を使って、この9桁の番号を確認します。輸入向けの実行関税率表には、その番号ごとの関税率も載っています。関税の仕組みそのものについては「関税とは」(B3)でくわしく解説しています。

HSコードは何に使われるのか

HSコードは、貿易のいくつもの場面で使われます。主な用途は次の4つです。

ひとつめは関税率の決定です。輸入品にかかる関税率は、品目ごとにHSコードに結びつけて定められています。つまり、商品のHSコードが決まらないと、かかる関税率もわかりません。

ふたつめは輸出入の申告です。税関に輸出入を申告するとき、申告書には品目分類(税番)を記載します。通関手続きの流れは「通関とは」(B2)で解説しています。

みっつめは貿易統計です。国の輸出入統計は、このHSコード(統計品目番号)をもとに集計されています。どの品目がどれだけ輸出入されたかを国際的に比較できるのは、共通の分類があるからです。

よっつめはEPA・FTAでの原産地判定です。EPA(経済連携協定)で関税の優遇を受けるには、その商品が「協定の相手国で生産されたもの(原産品)」だと示す必要があります。この原産地のルールのなかには、原材料と完成品のHSコードの違いを使って判定する「関税分類変更基準」があり、ここでもHSコードが土台になります。原産地証明など関連書類は「貿易書類の基礎」(B5)でふれています。

HSコードの調べ方

自分の商品のHSコードを調べるには、税関が公開している表や検索ツールを使います。代表的な方法は次のとおりです。

  • 輸出統計品目表/輸入統計品目表(実行関税率表):税関のウェブサイトで公開されています。21の部・96の類に分かれているので、各表題を手がかりに、調べたい商品が含まれていそうな類を選び、項・号へと絞り込んでいきます。
  • 品目分類キーワード検索:商品名などのキーワードから関連する番号を探せる、税関の検索画面です。
  • 財務省貿易統計「統計品目番号の調べ方」:探し方の手順が公式に案内されています。

最初は「どの類に入るのか」のあたりをつけるのが難しく感じられますが、まず大きなグループから順にたどっていくのがコツです。なお、表は年に複数回更新されることがあるため、調べるときは公開時点の最新版を使ってください。

分類に迷ったら:事前教示制度

商品によっては、「どの番号に分類されるのか」の判断が難しいことがあります。素材や用途が複合的な商品は、解釈によって番号が分かれることもあるためです。分類を誤ると、本来より低い・高い関税率で申告してしまい、あとから追徴課税を受けたり、通関で時間がかかったりするおそれがあります。

こうした不安を避けるための仕組みが事前教示制度です。これは、輸入の前に税関に対して、その貨物の関税分類(税番)・原産地・関税評価などを照会し、回答を受けられる制度です(出典:税関「事前教示制度について」)。

ポイントは、文書で照会して文書で回答をもらうことです。税関が文書で出した回答書(事前教示回答書)の内容は、発出から3年間、輸入申告の審査の際に尊重されます(法律改正等で取扱いが変わった場合を除く)。関税分類については、原則として30日以内に文書で回答が行われます。口頭やメールでの照会もできますが、文書による照会と違って審査の際に尊重されないため、確実を期すなら文書での照会が推奨されています。

HSコードは定期的に改正される

HSコードは一度決まったら永久に同じ、というわけではありません。商品や技術の変化に合わせて、HS品目表はおおむね5年ごとに改正されています。直近では「HS2022」への改正が行われました(出典:税関「HS2022 FAQ」)。

改正によって、同じ商品でも番号が変わったり、新しい区分が設けられたりすることがあります。過去に調べたHSコードをそのまま使い続けると、現在の表とずれている可能性があるため、申告のたびに最新の品目表で確認することが大切です。

まとめ

HSコードとは、国際貿易で取引される商品を分類するための世界共通の番号で、関税率の決定・輸出入申告・貿易統計・EPAの原産地判定など、貿易のあらゆる場面の土台になります。ポイントを整理すると、次のとおりです。

  • HSコードはHS条約にもとづく世界共通の分類番号で、160の国・地域が使用。
  • 構造は上2桁=類/4桁=項/6桁=号。部は21、類は96。
  • 6桁まで世界共通、日本は統計細分3桁を加えた9桁を使う。
  • 用途は関税率の決定・輸出入申告・貿易統計・EPA原産地判定
  • 調べ方は税関の輸出/輸入統計品目表・キーワード検索。迷ったら事前教示制度(文書回答は3年尊重)。
  • HSコードは約5年ごとに改正されるため、つねに最新版で確認する。

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参考・出典

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